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大韓航空機爆破事件(1987年)の真相【金賢姫キムヒョンヒ】ドラマ化もされた事件の真実

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大韓航空機爆破事件(1987年)とは

事件の概要

1987年11月29日

イラクのバグダット発ソウル行の大韓航空858便がミャンマーの近海で爆破されるという事件が起こった。

事件が起きた航空機のフライトプランは、

 

イラク・バグダット[サダム国際空港] (始点)

アラブ首長国連邦・アブダビ[アブダビ空港]

タイ・バンコク[ドンムアン空港※当時のバンコク国際空港]

韓国・ソウル[ソウル特別市金浦国際空港](終点)

 

このようになっていた。

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出典:http://www.sankei.com/premium/news/151117/prm1511170002-n1.html

 

タイ・バンコクへはテクニカルランディング(給油目的)だったので、乗客はアブダビ、またはソウルでしか降りることはできなかった。

 

乗員は11名、乗客は104名の合計115名。

乗員のうち9名はデッドヘッドと言われ、移動のための搭乗で業務にはついていなかった。

 

午前11時22分、機内で爆発物が爆破し、機体は空中分解し、乗員・乗客115名全員が行方不明、後日115名全員が死亡と認定された。

空中分解した機体は海に墜落したと見られ、遺体の身元確認やバラバラになった機体の回収は難航した。

爆発の原因は、当時はボーイング707-320BのHL7406号機固有の欠陥のため、と考えられていましたが、のちの調べにより航空機テロであったことがわかった。

 

被疑者はアブダビで降りた男女

アブダビで降りた人は15名、そのうち怪しい男女が1組おり、日本の旅券を持っていた。

翌年韓国のソウルで『ソウルオリンピック』の開催が決定しており、東京ではその妨害工作のための偽造パスポート所持で日本赤軍の一人が逮捕されたという背景があった。

そのため韓国は早い時点で日本の旅券を持っている二人組をマークしており、入国記録を調べると航空券の「姓」が抜けているという、日本人であれば不自然な点が見られ、持っていた旅券番号を日本の外務省で照会すると、パスポートが偽造であることが確認された。

 

2人がバーレーンからローマ行に乗り換えようとしたところ、身柄を拘束した。

 

男は、あらかじめ仕込んでいた毒薬入りカプセルを口にいれ服毒自殺した。

女も同様に服毒しようとしたが、その場にいた警察官が完全にかみ砕く前に吐き出させ一命をとりとめた。

 

この『女』が『金賢姫(キムヒョンヒ)』である。

 

男は死亡、金賢姫は一時意識不明だったが3日後に意識が戻った。

 

パスポート偽造の罪は日本の国内で法律違反ではあるが、航空機爆破テロという事態の重さに金賢姫の身柄の引き渡しを、日本は放棄した。

モントリオール条約では、航空機上で発生した事件の裁判権航空機が登録されていた国にあるとされている。

 

金賢姫の自供

12月15日、彼女の身柄は韓国へ引き渡されたが、バーレーンでの服毒自殺の前例もあり、舌を噛んでの自殺を防ぐためにマスクがつけられていた。

出典:http://www.huffingtonpost.jp/tomoko-nagano/kim-hyon-hui_b_5781980.html

 

始め金賢姫は日本人になりすまし犯行を否認していたが、そのうち中国人だと証言したり、数々の矛盾がある中、捜査員による質問「日本で使っていたテレビのメーカーは?」の答えで「チンダルレ」という北朝鮮のブランド名を答えてしまう。

 

またあるとき、捜査員に連れられ夜のソウル市街をみせられたときに金賢姫が聞かされていた韓国の状況とあまりに異なる繁栄ぶりに驚いた。

そして一般市民が誰にも気兼ねすることなく自分の不平不満を口にしているところを見て、金賢姫は衝撃を受ける。

北朝鮮でそのようなことは許されるはずもないから。

 

金賢姫は女性捜査員と入浴中に熱い湯をかけられ咄嗟にでた朝鮮語が出てしまい、結局隠し通せず自白した。

爆発は、金賢姫がカバンにいれて持ち込んだ、時限装置がついたプラスチック爆弾と液体爆弾によって起こったものだった。

 

アブダビに到着した際乗客は一旦全員外にだされた。

そのとき金賢姫はアブダビから直接ローマに向かう航空券と、捜査攪乱用にバーレーンに向かったと思わせるための使用した航空券の両方を持っていた。

 

しかし、予想外にアブダビで航空券のチェックがあったために、攪乱用の航空券を使わざるを得なくなり、バーレーンに二人で向かい足止めをくらっていたのだった。

これがなければ、二人は北朝鮮に逃げていたと思われている。

 

金賢姫は工作員としての教育をされてきており日本語、中国語も堪能であった。

犯行の動機

韓国で翌年行われる予定だったソウルオリンピックの開催を妨害するための、北朝鮮の工作だったといわれている。

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しかし北朝鮮は否定。

 

金賢姫がハンガリーに北朝鮮パスポートで入国し、そこから日本の偽造パスポートで出国したことからハンガリー当局は北朝鮮による謀略があったと判断し、当時の東側陣営の盟主であったソ連へ報告したため、東側社会主義国全体からも「卑劣なテロ国家」として認識されるようになった。そのため、オリンピック参加を曖昧にしていたソ連および中国は正式に参加表明、他の東欧諸国も追随し参加を表明した。結局参加しなかったのは北朝鮮ぐらいでもくろみは完全に失敗することになった。

出典:Wikipedia 大韓航空機爆破事件

 

事件の関与を認めない北朝鮮

事件後の北朝鮮

未だに北朝鮮はこの事件への関与を認めていないので当然謝罪もない。

北朝鮮はこの事件の真相や金賢姫そのものを『韓国のねつ造』だと連日報道した。

 

一方、「金賢姫は平壌外国語大学日本語科に在籍していたが、調査部が連れて行った」という証言がある。

金賢姫が卒業した金正日政治軍事大学では、金賢姫が対外情報調査部に所属する工作員であることを教官も生徒も誰もが知っていたそうだ。

 

金賢姫が自殺に失敗し、犯行を自供したことについて金正日は激怒した。

1991年に金賢姫が手記『金賢姫全告白 いま、女として』を発売すると、北朝鮮でもそれが読まれ、大学関係者はもちろん金正日も同書を読み、金賢姫の裏切ったのは大学の教育方法が間違っているからだと指摘した。

 

金賢姫は「韓国は乞食と娼婦があふれていると教育されてきたが、実際の韓国の豊かさや自由を見て北朝鮮当局に騙されていたことを悟り転向した」と手記で述べている。

 

それにより金正日政治軍事大学では、韓国の実情を具体的に生徒に知らせる教育が始まった。

 

金賢姫(キムヒョンヒ)とはどのような人物なのか?

金賢姫は韓国語や日本語がとても堪能だった。

金賢姫に日本語を教えたのは『李恩恵(リ・ウネ)』という人物で、彼女は日本から拉致された『田口八重子』さんであると言われている。

日本語だけでなく、彼女に日本の文化や習慣を習って『日本人化教育』を受けたという。

 

北朝鮮側は李恩恵の存在自体を否定しているが、金賢姫は1995年に手記で『恩恵先生との二十か月』について書いており、さらに田口八重子さんの長男と面会した際には金賢姫が『恩恵先生は生きている』と2009年に発言している。

 

前述の爆破事件の自白のあと、初めて聖書に触れイエス・キリストの存在を知った。

裁判が行われている期間、牧師の指導により聖書を学んでいたそう。

ソウルの中央浸礼教会で洗礼を受けて正式にクリスチャンになった。
金賢姫は1989年韓国の裁判で死刑判決が下り、1990年3月確定した。

しかし韓国政府は金賢姫が事件の唯一の生き証人であることから特赦(刑の免除)した。

これには当然事件の被害者遺族からの激しい抗議もあったがそんな中での韓国大統領の判断であった。

 

北朝鮮にとっては、金賢姫の死刑によって事件が完全に鎮静化すればそのほうが都合がよかったと考えられるが、特赦により金賢姫が生き続けることで北朝鮮がしてきたテロ行為を国際社会に訴えるという意味もある。

刑の免除はあったが、普通の一般市民と同じように暮らせるわけではなく生涯監視下におかれる。

1997年、ソウル市内で結婚し男児も生まれ主婦として生活するようになったという。

 

2010年には事件後初めて訪日した。

 

金賢姫の著書は

  • 『いま、女として- 金賢姫全告白』池田菊敏訳 文藝春秋 1991年10月
  • 『愛を感じるとき』池田菊敏訳 文藝春秋 1992年12月
  • 『忘れられない女(ひと)- 李恩恵先生との二十ヵ月』池田菊敏訳 文藝春秋 1995年6月

3作品あるが、印税は被害者の家族への補償に充てるとしている。

 

もしも金賢姫が北朝鮮ではないところに生まれていたら…と思わずにはいられない。

 

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これを読むと、北朝鮮という環境におかれたためにこんな人生を歩むことになった、ただの不運な真面目で努力家の普通の女性という印象だ。

爆破テロによって亡くなった沢山の人はただの被害者でもちろん実行犯である金賢姫が実行しなければ命を落とすこともなかった。

生き証人となった金賢姫の使命は、北朝鮮が一日でも早く民主主義国家となり人々が普通の日常を手に入れることが出来るように使者となること。

 

生まれたときから北朝鮮のためだけに生きるよう教育されてきた金賢姫は、上からの指令である爆破テロを拒む選択肢がなかっただけで、金賢姫もまた被害者なのだと強く思います。

 

 

参考:北朝鮮での生活

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